けろこ堂日乗(β版)

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図書館の小説

1ヶ月以上更新をさぼってしまった。別に夏休みというわけではないのだが。
そこで、夏休みといえば図書館である。(笑)
有川浩の「図書館戦争」を読んだ。著者は「電撃」出身。
メディアの検閲が合法化された日本で、図書館の自主独立を守るために結成された図書隊と、検閲と摘発を執行するメディア良化特務機関との抗争がくりひろげられる、というとんでもないお話だが、なかなか面白い。妙にマニアックな武器の描写が出てきたりするのだが、その反面、本に関する描写が薄いのが残念なところか。主人公は体育会系だが、実は読書好きという設定をもう少し生かしてほしかったように思う。9月10日は続編の「図書館内乱」が出るそうなので期待しよう。
図書館もので亭主が気に入っているのは、森谷明子の「れんげ野原のまんなかで」だ。こちらは地方都市の図書館を舞台にしたミステリー風の連作短編集。題名に違わず、実にほんわかした雰囲気の作品だが、著者は「千年の黙」で源氏物語を題材にミステリーを書いてしまった才媛。「ほんわか」だけではないスパイスが味わえるのはさすがというべきである。本好き、図書館好きにはお奨めである。
亭主は読んでいないのだが、スティーブン・キングには「図書館警察」がある。これは図書館の持つ「陰」の面をうまくついてくる作品だ。傾向は全く違うが山田正紀の「ミステリー・オペラ」でも”禁書図書館”なるものが重要な役割を担っている。これも図書館の陰イメージを活かした佳作だと思う。<
追伸:昨日、上記の「図書館内乱」を書店で発見したので、リンクを追加。

図書館戦争

図書館戦争

ミステリ・オペラ (上) (ハヤカワ文庫 JA (811))

ミステリ・オペラ (上) (ハヤカワ文庫 JA (811))

図書館内乱

図書館内乱