けろこ堂日乗(β版)

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ミステリィ

祝復刊! シャドー81

1975年に発表された航空サスペンスの傑作が久々に復刊された。1977年に新潮社から文庫で発売されたこの作品は、当時の海外ミステリイとしては記録的な販売部数を達成したという。航空サスペンスともミステリイとも呼ぶことはできるが、この作品はそうしたジ…

ショコラティエの勲章

著者の上田早夕里は小松左京賞受賞のSF作家だが、この作品は(敢えて分類すれば)ミステリイだ。 神戸の老舗和菓子店に勤める主人公の女性と、名人ショコラティエの交流を軸に6編の物語が綴られている。ミステリとはいっても、殺人事件もなければ驚くような…

ウォッチメイカー

ジェフリー・ディーヴァーのリンカーン・ライム シリーズ最新刊である。今回は、リンカーンにとって最強の敵「ウォッチメイカー」が登場する。どう最強なのか?リンカーンは勝利するのか? 例によって、ミステリィはネタバレになるようなことは書けないし、…

遠まわりする雛

米澤穂信の「古典部シリーズ」最新刊である。野生時代などに掲載された短編に、書き下ろしの表題作を加えた作品集になっている。 ミステリイの紹介は難しい。下手を書けばネタバレになってしまうし、かといって「面白いから読め」ではいくらなんでも愛想がな…

玻璃の天

「街の灯」に続く、北村薫の「ベッキーさん」シリーズ中編集だ。前作では「わたし」こと花村英子のボディガード兼運転手であるベッキーさんの水際だった格好良さと、その謎めいた有り様がストーリーをひっぱっていたが、本作品ではベッキーさんの秘められた…

12番目のカード

お待ちかねのリンカーン・ライム・シリーズ最新刊である。ジェフリー・ディーヴァーには、短編集「クリスマス・プレゼント」で奇襲攻撃を受けまくったので、かなり気合いを入れて読んだ。その期待は裏切られなかった。ハーレム在住の女学生を襲った事件と、1…

樹上のゆりかご

荻原規子の名作が新書版で再版。「西の善き魔女」のTVアニメ化でちょっと盛り上がっているおかげである。もっともカバーはすっかりライトノベル調になってしまったが。この作品は数ある荻原作品の中でも亭主のお気に入りの一冊だ。著者の出身高校がモデルに…