ブラックホールは怖くない？

ブラックホールの入門書。大変わかりやすくて良くまとまっている。
著者は現役の研究者で、降着円盤の研究では日本有数の実績を持つ。なによりもこの先生、SFやアニメ大好きの人（要するに亭主のお友達系）なので、SFファンが知りたいと思う点がちゃんと説明されていて実に親切である。例えば、ブラックホールを観測するための軌道はどうすればよいか、といったツボ満載である。SFファン、SF作家は是非一読すべきである。このタイプの解説書をちゃんと書ける研究者は、石原藤夫先生以来あまり現れてこなかったように思うが、この著者ががんばってくれているのは心強い。
同じシリーズで、応用編の「ブラックホールを飼いならす」も出た。どちらもちょっと価格が高いが、フルカラーでとても読みやすい本なので○。

ブラックホールは怖くない?―ブラックホール天文学基礎編 (EINSTEIN SERIES)

ブラックホールを飼いならす!―ブラックホール天文学応用編 (EINSTEIN SERIES)