けろこ堂日乗(β版)

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新たなる希望 A NEW HOPE

前回、PCオーディオのことを書いたのは1年前。早いものだ。その間、Prodigy Cubeをググってこの日乗に辿り着いた方も少なからずおられたようだ。
この1年間に、PCオーディオへの関心は確実に高まってきているように思う。ピュアオーディオ系の雑誌がUSB-DACの特集を組んだり、高級オーディオメーカーとして有名なLINNがCDプレーヤの生産をやめ、以降はネットワークオーディオシステムを中核に据える、といったニュースが報じられたりと、かなり一般的な話題の中にPCオーディオというキーワードが浸透し始めている。こうした潮流のおかげで、USB-DACやUSB-DAC内蔵アンプの新製品が続々と発売されているのは、ご存じの方も多いだろう。
かくいう亭主はこの1年、Prodigy Cubeのデジタル出力をCDプレーヤ(TEAC VRDS-25XS)のDACに入力するという方法で、PCオーディオ化をすすめてきた。その中で、いくつか自分なりに発見したこと、考えたことなどをまとめておこうと思う。
まず、ハードウェア面では、オーディオ用PC+Prodigy Cube+DAC(VRDS-25XS)+アナログアンプ(YAMAHA B2、NEC A-10X)という基本構成は変わっていないといいつつも、、実は好奇心を抑えきれず、ラステームのRDA-520というUSB-DAC内蔵のデジタルアンプを購入した。まず、このアンプについて述べておこう。

Rasteme RDA-520について

ラステーム(Rasteme)という会社の詳細は、ここでは述べないが、もちろんオーディオ専門メーカーではない。遊戯機器向けのサウンド関係のボードなどの開発・製造で実績のある新潟のメーカーだ。このラステームがデジタル音源で培った技術を生かして、数年前からデジタルアンプ関連製品をコンシューマ向けに発売している。そのいずれもが、非常にコストパフォーマンスの良いものであるため、近年注目を集めているのだ。亭主が購入したRDA-520は、アナログ入力を一切持たないデジタルアンプで、USBまたはSPDIFからの入力ソースを内蔵DACで処理して、普通のオーディオスピーカーを駆動するというものだ。いままでUSB-DAC内蔵のヘッドフォンアンプやUSB入力付きのAVアンプは数多くあったが、USB-DAC内蔵のシンプルなステレオアンプというのは非常に珍しい。メーカーサイトの写真ではわかりにくいが、ハーフサイズよりも一回り小さいくらいの筐体に、ちゃんとしたねじ締め式のSP端子がついている。PCとUSBケーブルで接続してやれば、まっとうなオーディオシステムができあがってしまうのだ。出力は25Wだが、まず一般のユーザーであれば不足はないと思う。さらにデジタルパススルー出力がついているので、DDC的な使い方もできるというのが有り難い。これで、44,000円(キャンペーン価格)というのだから良い時代になったものだ。
さて、このアンプをけろこ堂のスピーカー(FOSTEX16cmフルレンジユニットを使用した自作バスレフ)にダイレクトに接続して鳴らしてみた。
音は良い。期待通りだといってよいだろう。
特定の帯域が強調されるようなことはなく、素直な音だ。ただ、これは亭主の主観に過ぎないので、人によっては「あっさりしすぎ」とか「薄味」という感想を持つかもしれない。断言できるのは、S/Nが優れていることと、発熱が非常に少ないこと。これはデジタルアンプの面目躍如というべきだろう。人によっては、これだけでも大きなメリットと感じるのではないか。
但し、亭主はこのアンプに高級アナログアンプを上回る音質を期待したわけではない。あくまでもUSB-DAC+オーディオアンプというコンセプトの明快さと、コストパフォーマンスの良さを第一に評価し、その限りでは十分に期待に応えてくれたということだ。
では、これがProdigy Cubeにとってかわったかというと、残念ながらそうはならなかった。誤解のないように強調しておきたいのだが、これはRDA-520の問題ではない。亭主の好みの問題だ。
この点を念頭に置いて、次回を読んでほしい。(以下、次回に続く)