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CONCORSO D'ELEGANZA VILLA D'ESTE 2009 (1)

実は、今年もVilla d'EsteのConcorso d'Eleganzaに行ってきた。
昨年のようにまとめようと思ったのだが、その後、本業やら何やらが忙しく結局手つかずになっていたのだ。
もう4ヶ月もたってしまったので、新鮮味はないのだがまとめておかないともったいない気がする。記憶が残っているうちに書いておこうと思う。
そういうわけで、しばしおつきあい願いたい。

4月24日に東京を出発、ミラノのMalpensa国際空港に到着したのは同日19:00。先行していた友人2名にピックアップしてもらい、COMOの南部のMontorfanoという町のホテルに向かう。f:id:mhana:20090825110243j:image:w250:right借りた車はBMW120Diという1シリーズのディーゼルターボ(6MT)だが、これが当たり。こういっては申し訳ないが、ディーゼルとは思えないレスポンスの良さに驚く。ヨーロッパのコシューマ市場におけるディーゼルのシェアが日本の比ではないのも肯ける。

翌日はConcorso d'Eleganza 2009の第1日目だ。
幸い心配していた天気も回復し、この日は絶好のコンテスト日和になった。
今年は件の金融クライシスの影響で、出品車が思うように集まらず主催者側は苦労したらしいが、確かに昨年ほどの衝撃はないにせよ、やはり素晴らしい車達が待ち受けていた。
早速、主な出品車を紹介しよう。今年は、昨年のように全ての車の紹介は省き、亭主の趣味で選んだ車を掲載したい。

CLASS A : PREWAR OPEN CARS
このクラスは、正直言って亭主の守備範囲を超えているため、知識も十分でない。その中で最も目を惹いたのは、このLANCIA ASTURA(ランチア アストゥーラ)だ。




f:id:mhana:20090829000653j:image:w300ASTURAは戦前のLANCIAを代表する高級車で、Castagna、Pinin Farina、Stabilimenti Farina、 Touringなどの名だたるカロッツェリアは競って美しいボディを架装した。このBoneschiによる"Lusso Convertible"と呼ばれるモデルは、その中でもアールデコ調の華麗なボディを纏ったものとして特筆に値する。事故により大破したというが、レストア状態も非常に良く美術品といってもよい一台だ。
NO. 12: LANCIA, ASTURA, 1938
8 cilindri, 2972cc
Body: Cabriolet, Boneschi

CLASS B : PREWAR CLOSED CARS
戦前のクローズドボディを集めたクラスでは、ROLLS-ROYCE、BENTLEYといった大型車が居並ぶ中で、小柄なBUGATTI ATALANTEとスマートなALFA ROMEO 8Cが注目を集めていた。





f:id:mhana:20090825110310j:image:w300 Ataranteはホイールベースから言えば、決して小さい車ではないが、スポーティな黄色と黒のツートーンがよく似合い、軽快なイメージが演出されていた。英国のディーラーによって1938年に販売された車で、何人ものコレクターの手を経て、現在は米国在住の女性が所有しているという。
NO. 24: BUGATTI 57S, 1938
8 cilindri, 3257cc
Body: Atalante, Bugatti






f:id:mhana:20090829000709j:image:w300 この8Cは40台のみ生産された2900Bの1台で、Touringによる美しいクーペボディを纏っている。2005年に現在のオーナーの手によりオリジナルコンディションに復元された。一見地味だが、そのバランスの良さ、仕上げの美しさはさすがに名門カロッツェリアの匠を感じさせるものだ。なお、この車は今回の最優秀賞であるCoppa d’Oro Villa d’Esteをはじめ、各賞を総なめにした。
NO. 26: ALFA ROMEO 8C 2900B, 1938
8 cilindri, 2905cc
Body: Berlinetta, Touring

CLASS C : PREWAR SPORTS CARS
戦前のスポーツカーのクラスには、珍しい車が2台エントリーされていた。






f:id:mhana:20090829000730j:image:w300 戦前のLANCIAのヒット作のひとつであるAPRILIAのシャシーに、可愛らしい2座レーシングボディを架装した車だ。APRILIAといえば、コンパクトなモノコック・サルーンボディを思い浮かべる。天才エンジニアVincenzo Lanciaの遺作となったこの車は、そのおとなしい外見からは想像できない、スポーティな性能を誇る名車として多くの熱狂的ファンを獲得したといわれる。出品車は、Mille Migliaに参戦するためこの"tipo spider corsa"ボディを与えられたという。
NO. 36: LANCIA, APRILIA, 1939
4 cilindri, 1486cc
Body: open 2-seater, Viotti






f:id:mhana:20090829000731j:image:w300 これは米国のメーカーAuburnの大変貴重な825SCスピードスター。世界経済恐慌の最中、起死回生を賭けて開発されたスーパーチャージャー付きの高性能車だが、期待した利益をあげることができず、わずかな台数が生産されたのみだ。ボディから切り離されたリアフェンダーが非常にスポーティなイメージを醸し出している。
NO. 38: AUBURN, 852SC, 1936
8 cilindri, 4588cc
Body: Speedster, Auburn

(次回へ続く)