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ifi-Audio "nano iDSD"を導入

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ifi-Audioのnano iDSDの評判が良いのでとても気になっていた。勤務先が田舎になり往復の電車の中で音楽を聴く時間が増えたので、イヤフォンのアップグレードか、ポータブルアンプの導入を考えていたからだ。

仕様を見るとほぼ「全部入り」だ。

対応入力フォーマット:
44.1/48/88.2/96/176.4/192/384KHz(PCM)
2.8/3.1/5.6/6.2MHz/11.2/12.4(DSD
353/384KHz(DXD)

Burr Brown (1-DAC Chip; 2-Channel; 4-Signals)

DACチップの詳細は不明。

このデバイスを選んだのは、

  1. 同軸デジタルOUT端子がついていること
  2. iPhone5sとの接続が可能なのこと(USBカメラコネクションキット経由)
  3. DSDネイティブ再生をサポートしていること
  4. 半固定ボリウムであること
  5. バッテリー駆動が可能であること

といった表向き理由の他に、ルックスが気に入ったということもある。

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Yodobashiで約26,000円。お手頃というか、これで採算があうのか?

仕様の詳細は日本語HP(http://ifi-audio.jp/nanoidsd.html)を参照していただくとして、1日使用した所感など。

この製品は、同軸デジタル出力を備えているので、DDCとしての音質と、DACとしての音質を確認できる。

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現行システムのAudio-DG NFB-10+SotM dxUSB(無印)と比較してみる。プリメインアンプはMarantz PM-99SE、スピーカは自作16cmフルレンジバスレフ。再生ソフトはいつものとおりJRiver Media Center 20。なお、PCとの接続にはAurorasoundのBus-Power Proをかませている。

まずデジタルアウトをNFB-10に入れてDDCとしての比較試聴。結論から言えば、一聴してiDSDがdxUSDを上回っていることがわかる。ハードの仕様からいって当然といえばその通りだが、解像感が断然良い。やや高域の堅さのが気になるが、これはエージングにより変わってきそうだ(実際丸1日かけっぱなしでエージングしているが、滑らかになってきた)。好みで言えば、iDSDに軍配をあげるが、元気が良すぎるとか、ドンシャリ気味だと評する人がいても不思議ではない。96KHzオーバーのアシンクロナス接続、DSDネイティブ対応などを加味すれば、メインデバイスの座はほぼ確定である。

次にRCAアナログ出力をプリメインに入れてDACとして試聴。NFB-10+dxUSBの組合せと比較した感想は、DDCの比較とほぼ同じだが、DDC接続の時よりさらに元気が良くなったように感じる。iDSDからNFB-10に切り替えると、ずいぶん大人しい感じになる。NFB-10は比較的ナチュラルな特性をもっているので、これはiDSDのアナログ出力系のキャラクターが乗っている可能性がある。

そこで、iDSDの同軸デジタルアウトをNFB-10に、アナログ出力をプリメインに直接入れ、切り替えて試聴してみた。果たして、DAC同士の試聴よりは差が小さくなったが、iDSDのほうがやや高域がきらびやかに感じられた。音の滑らかさという点では、NFB-10経由のほうが上回っており、聴き疲れしないという点では優っている。ただ、普段から聴き慣れているからこそ分かる程度の差である。

以上の試聴結果から、構成はiDSD+NFB-10で決まりだが、今はエージングのため、iDSDだけで鳴らしている。

24/192音源はそれほど持っていないのだが、とりあえずハイレゾヱヴァンゲリヲンを聴いてみた。

残酷な天使のテーゼ」のヴォーカルの響き具合が、24/96ダウンコンバートより明瞭になった。

ついでに、DSDも試しておこうということで、綾戸智恵の「Forever Youg」から「Shenandoah」。これは良い。声の艶、ピアノの音色とも納得。

初めてDSDネイティブの音を聴いたことになる。予想はしていたが、24/96との差は音質面よりもS/Nのような気がする。同じ音源で比べてみないとなんとも言えないが、「間」の静けさが違うというのが第一印象だ。いずれにしてもオリジナルの録音が良くなければハイレゾ化の意味がほとんどないことは言うまでもない。

こうなってくるとJRMCの多機能ぶりはありがたいもので、今は常時176か192にアップコンバートして聴いている。

かくしてiDSDが、予想外にメインのDDCの座についてしまったので、当初の目的だったポータブルDACとしての運用は難しくなった。さて、どうしたものか。

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