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超小型バックロードホーンキットを作ってみた

大分前に購入しておいたSTEREOの付録SPユニットを使って、同じくSTEREOの別冊として発売された超小型バックロードホーンを組み立ててみた。

ユニットはSCANSPEAK社の5cmフルレンジで、これを5mm厚のパーチクルボードで作ったエンクロージャに取り付ける。

音道は右の写真のとおり、オーソドックスなもの。完成すると左の写真のようになる。大きさはほぼA5版コミックス3~4冊分という感じ。仕上げもなにもしていないので、ルックスについてはご勘弁願いたい。

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いくら5cmユニットとはいえ、一見して容量不足のように思えるが、さて音はどうか。

とりあえず、ラステームのデジタルアンプRDA-520につないで、ハイレゾの「残酷な天使のテーゼ」再生してみる。SPのルックスやエンクロージャの大きさから、スカスカな紙っぽい音を想像していたのだが、思っていたよりもずーっとまともな音だ。

解像感は結構良く、定位も明確。特性を調べていないので雑誌の記事を参考にすると、400Hz付近にはっきりした谷がある。実際、女性ボーカルの音域では凸凹があきらかに影響してしまい、音かぶったような、いわゆる「ホーン臭い音」になる。逆に160Hz付近のスパイクは、聴感上は低音部の補強になっていてむしろプラスに感じる。高域は明らかに不足。ツイータがほしくなるが、それをやってはこのシステムの意味がないだろう(もちろん別途設計するなら別)。さすがに「ワイドでフラット」とは言い難いが、このSPユニット自体の素性は悪くないので、ハイファイとしてではなく、用途を選べば実用に耐えると思う。

ものは試しに、テレビの光デジタル出力を直接RDA-520に入力して鳴らしてみたが、これは結構いける。特にステレオ感を強調したソースだと効果音がSPの外側に定位して楽しい。能率が高いので、小出力アンプでも十分稼働できる。音楽観賞用としてはつらいが、AV用のサブシステムとしては案外いけるかもしれない。

STEREOの別冊として、同じユニットを使うダブルバスレフのキットも発売されている。製作記事を読むかぎり、ダブルバスレフのほうが元気のよい鳴り方をするようだ。

機会があれば、もう一回り大きいエンクロージャを設計してみたいものだが、さてどうしたものか。

 

stereo (ステレオ) 2013年 08月号 [雑誌]