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J.River Media Center17の設定メモ(1)

以前から亭主がJ.River Media Center(JRMC)を使用していることは報告しているが、興味を持ってくださる方もそれなりにいるようで、検索のヒットが多い。そこで最新の状況を報告しておくことにした。同好の皆様にいくばくかの参考になれば幸いだ。f:id:mhana:20120320173240p:image:w360:right
前置きが長くなるが、もう少しだけ・・・
最近のPCオーディオ関係の雑誌や特集では、再生ソフトが紹介される機会が増えてきたが、不思議と中心はMac用。Windows用はfoobarで片付けられてしまっていることが気になる。もちろん亭主もさんざんfoobarのお世話になったので、foobarがいかに優れたソフトであるかは十分に承知している。ただ、これは以前にも書いたことだがfoobarはHi-fiオーディオをターゲットにしているとは思えない部分があり、実際のところJRMCとの比較試聴においては、亭主のオーディオ仲間が全員JRMCに軍配をあげたものだ。有料ソフトだから初心者には敷居が高いのは確かだが、それでも5,000円以下で手に入るのだから、ダウンロード配信のハイレゾ音源を聴こうという人にとって障壁にはなり得ない。むしろ良心的、いや安すぎるとすら思う。こういう結構な代物が、雑誌等でほとんど紹介されないのは理解に苦しむが、別に亭主が困るわけではないので、まぁいいか。

JRMCが他のWindows版プレーヤに対して優れているのは、Hi-fi再生を意識していること。具体的には、

  1. WASAPIのevent styleに対応していることf:id:mhana:20120320170704p:image:w240:right
  2. ソースをメモリ上にロードしてから再生できること
  3. イコライザ機能が充実していること
  4. サンプリングレート・コンバータの音質が良いこと

といった点があげられる。3と4については、好みや考え方によってはデメリットと解釈されるだろうが、機能をバイパスできるので、使いたくない人にはあまり大きな問題にはならない。さらに、version17からはDSD音源の再生にも対応したことも大きい。
逆に、Hi-fiユーザが嫌がりそうな点は、

  1. オーディオ以外の機能が豊富すぎる(Video再生、Podcastなど)
  2. PCへの負荷が高い
  3. モノリシックな有料ソフトなので、供給元が倒れたら困るといったところだろうか。

JRMCのオプション設定メモ

以下のメモは、PCに接続しているオーディオデバイス(DACやDDC)の仕様を十分に理解しているという前提なのであしからず。

  • オプション>オーディオでオプション設定ウインドウを表示
  • オーディオ出力の設定
    • 出力モード
      Windows7Vistaの場合は、オーディオデバイスがWASAPIに対応しているなら、迷わずWASAPIまたはWASAPI-Event styleを選択する。両者の音質の差は微妙だが、理論的には後者のほうが良い。ただし、PCの処理能力が低いと裏目に出る可能性もある。
    • 出力モード設定f:id:mhana:20120320171147p:image:w200:right
      • デバイス
        選択した出力モードに適合するデバイスを指定しないと音がでないので注意。
      • バッファ
        使用するPCの処理能力に依存する。まずデフォルトで試してみて、音の飛びが起こらない範囲で短くしながら調整する。
  • 設定
    • DSPと出力フォーマット

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      • サンプルレート
        サンプリングレート・コンバータを使用する場合、ここでその適用を設定する。例えば、オーディオデバイスが24bit/96khzまでの仕様であれば、176khz以上の音源については96khzへダウンサンプリングを指定できる。もちろん、44.1khzを96khzにアップサンプリングすることなども可能。
      • ビット数
        説明によれば、JRMCは内部的に64bitで音声信号処理を行っているので、出力信号のビット幅を任意に指定できる。亭主の場合、24bitデバイスを使用しているので、24-bitを指定している。ビットパーフェクトにこだわるなら「ソースのビット数」を選択するべきだろう。
      • チャンネル
        普通のステレオ音源を聴くだけなら、"Source number of channels"でよい。
      • Subwoofer
        設定しない。
    • 音量レベル
      • モード
        リプレイゲインの調整方法を指定する。アルバム単位で再生している場合は、"Track based"でよい。
    • イコライザー
      10バンドのイコライザーの設定ができる。プリセット設定でよければ、ここで指定するのが簡単。特定の帯域を大きく調整する場合は、一番左の"Pre Amp"でレベルを調整しておかないと歪む場合がある。使用したくないときはチェックをはずしておく。
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    • Parametric Equalizer
      グライコより細かい調整を行いたい場合は、このオプションを使う。初期状態では"Filters"に何も表示されていないので、右側の「追加...」ボタンをクリックして、メニューから適切なフィルタを選択する。周波数帯域ごとの調整を行いたい場合は、"Adjust a frequency"を選択する。すると"Filters"ウインドウに"+0.0dB at 1000Hz"と表示され、デフォルトのフィルタが登録される。ウインドウの下の"Details for filter selected above"に周波数、帯域幅、ゲインの入力エリアがあるので、適切な値を入力する。複数の周波数帯域にフィルタを適用したい場合は、以上の動作を繰り返せばよい。亭主は、iPadアプリの"Audio Tools"の簡易スペクトルアナライザを使って、ピンクノイズを再生した時の特性を測定し、これをEXCELデータとして出力して計算した補正値を使っている。ただし、気をつけないとピーキーな特性になってしまうので、フラットに調整するには根気よく調整することが必要だ。

上記の設定は、あくまでの亭主のシステムの設定例であるが、基本的な音楽再生には必須の項目だと思うので、参考になるかもしれないと思って紹介しておく。

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補正後の周波数特性