けろこ堂日乗(β版)

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Firestone Audio 「BRAVO」と「SPITFIRE」の導入

前回PCオーディオについて書いたのが昨年の8月のこと。その後、PCオーディオはMookが続々創刊されるなど、盛り上がりを見せ始めた。けろこ堂のオーディオシステムも随分いじくりまわした。オーディオはこれでOKというのはなかなか難しく、いまの状態がベストとも言い難いのだが、記録のため現状をまとめておこうと思う。
主な項目は以下のとおりである。

1.USBオーディオインタフェースとDACの変更
2.DAC用電源の交換
2.Windows用音楽再生ソフトウェアとして「J.River Media Center」を導入
3.Ubuntu Studio10.04にリアルタイム・カーネルを導入
4.ケーブルいろいろの変更

まず、1から。
Prodigy CubeとTEAC VRDS-25XSの組み合わせに対する最大の不満は、24bit/96000HzなどのHiDEF音源が聴けないことだ。これはハードウェアの仕様なのでどうしようもない。一方世の中には、HDTracksをはじめ、HiDEF音源を配信する商用サイトが増え始めた。
こうした宝の山を指をくわえて眺めているのは悔しいので、少ない予算で24/96音源を聴ける環境を整えようと考えた。
選択肢としては、
USB DDC+DAC
USB DAC
が考えられるが、思案の末、前者を選択した。当面USBオーディオインタフェースの技術は変化し続けるだろうが、オーディオ用DACの基本技術はすでに成熟しつつあると思うからだ。USB入力付きのオーディオ用DACも、当然候補になるが、USB入力をあきらめてしまえば、さらに選択肢が拡がる、とまぁ、これは後付けの理屈。まずは予算制約が・・・
紆余曲折の末、亭主が選んだのは、台湾のデジタルオーディメーカーFirestone Audio社のDDC「BRAVO」と同じくDACの「SPITFIRE」だ。
BRAVOはUSBデジタルサウンドプロセッサーと呼ばれている。USBオーディオ信号をSPDIF信号に変換するのはもちろんだが、同軸と光のデジタル入力を備えており、入力信号をリクロックして出力するという機能もある。変換方式についてストイックな精度を求める人からみれば、いろいろ注文がつくだろうが、亭主は最終的な再生音で判断することにしている。
合計で約5万円という投資だが、これにDDCとDACを接続するための同軸ケーブルを自作したり、オヤイデのオーディオ用USBケーブルを購入したりで、結局6万円以上はかかった。しかしこの程度の出費で24/96の環境が手に入るのだから、良い時代になったものだ。
Firestone Audioの製品は、すべて同じ規格のアルミ筐体に納められていて、なかなかキュートだ。非常に小さいので置く場所に困らないし、大きさの割にはしっかりした筐体を使っているので、上に鉛インゴットを置いても大丈夫。この二つを並べて、自作の30センチ同軸ケーブルで接続。DACのアナログ出力(RCA)をプリメイン「A-10X」に入力。
これだけなのだが、Prodigy+VRDSに比べると、明らかに改善がみられた。一番明白なのはS/N比で、これはProdigy Qubeの泣き所でもあったわけだが、問題解消。
音質については、主観評価にしかならないが、Prodigyに比べると微小音や環境音がよく再生されるようになったのと、あわせて音場が拡がり音像は小さくソリッドに定位するようになった。そのかわり中低音はやや抑え気味で、高域が少しだけ明るい感じになった。亭主は明るめ&堅めの音が好みなので、この変化には満足である。
ところで、試しにこのBRAVOをVRDS-25XSのデジタル入力に接続したところ、困ったことが起きた。入力を受け付けないのである。これは想定していなかった。WEBを調べてみると、BRAVOはUSB入力をリクロックしてSPDIFに出力する際に、デジタル信号のサンプリングレートやビット長の情報を書き込まないならしい、ということが分かった。このため、これらの情報を前提としている一部のDACでは、正しくデータを受けることができないというのだ。DACとしてSPITFIREを使うことにしたので、実用上の問題はないが、BRAVOの導入を検討している方は、十分に注意されたい。(続く)




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