CONCORSO D'ELEGANZA VILLA D'ESTE 2009 (5)
CONCEPT CARS AND PROTOTYPES
今年のみどころのひとつは、このコンセプトカーとプロトタイプだ。Aston Martinのモンスターマシン ONE-77、ZAGATOのPERANA Z ONE、日産のINFINITI ESSENCE、BERTONEのMANTIDEといった興味深い作品が揃った。
元ASTON MARTINのスタイリスト、Henrik Fiskerが自らの会社を設立して開発したハイブリッドスポーツカー。Q-DRIVEというプラグインタイプのハイブリッドエンジンを搭載する。デザインはあいかわらずといったところだが、彼は本気で受注生産するつもりらしい。 NO. C 02: FISKER “KARMA S“, 2009Fisker Automotive, Hybrid |
日産が今年のジュネーヴショーで発表したINFINITIのコンセプトモデル。スタイリングは良くも悪くもショーモデルという感じを拭いきれないが、注目すべきはその塗装。超微粒子の金属粉末を混入した特殊塗料を用いたもので、角度によって様々な光沢を生み出す。夕方の光でみると実に渋い。ドライバーズシートにはデザインディレクターの中村氏の姿がみえる。 NO. C 10: INFINITI ESSENCE, 2009Infiniti, 6 cilindri, 3700cc | ||
ASTON MARTINが持ち込んだ12気筒7000ccのモンスターマシン。ジュネーヴショーではモックだったが、これはちゃんと自走する。カーボン複合材料をシャシーに用い、エンジン自体をシャシーの一部として利用して剛性を稼いでいるようだ。ヴァンキッシュをさらにアグレッシヴにしたようなデザインは、アクション映画のラスボスの車にしたい。一説によると受注生産する計画があるとか。 NO. C 14: ASTON MARTIN ONE-77, 2009Aston Martin, 12 cilindri, 7000cc | ||
今は亡きヌッチオの遺志を継いだ愛娘マリー・ジーン(ナビシートの女性)の奮闘により、存続の危機を乗り越えて活動を続けるベルトーネの最新作。仕上げはなかなか良いが、ディティールはどうみてもアニメ・メカデザインの影響を消化できていない。日本のメカデザイナー達の仕事が世界のクリエイターに影響を与えているのは結構なことだが、劣化コピーを作るのやめてほしい。この饒舌なディティールによって、デザイナーは何を語ろうとしたのだろうか。ちなみにMANTIDEはイタリア語で「カマキリ」。 NO. C 16: STILE BERTONE MANTIDE, 2009Bertone, 8 cilindri, 6200cc | ||