けろこ堂日乗(β版)

けろこ堂日乗のHatenaブログ版です。

デジタル仕掛けのステレオ

昨日は、亭主がデジタル・オーディオ化に手を染めた経緯と利用方法を述べた。PCやオーディオに強い方ならとっくに検証済みの事柄であろう。そうはいっても、Webを探してもあまり見あたらない話題であるから、マイナーな使い方であることには違いない。今回はその後の展開についてである。
まず、件のM-AUDIO transitUSBであるが、現在はサブシステム用にまわっている。これにかわってメインに起用したサウンドデバイスは、AUDIOTRAK社のAUDIOTRAK Prodigy CUBEというUSBサウンドデバイスだ。Prodigyは最近ではヘッドフォンアンプ兼USBサウンドデバイスのDr.DAC2が話題になったが、CUBEはそれと似た仕様の廉価な製品。廉価といっても実売2万円弱というのは、オンボードのサウンドデバイスで十分という方からみれば、法外な値段であろう。何しろマザーボードより高い。

AUDIOTRAK PRODIGY CUBE

AUDIOTRAK PRODIGY CUBE


亭主が、この製品を選んだ理由は、第一にデジタル出力がついていること、次にDr.DAC2で評価が高かったUSBオーディオコントローラーであるTenorが採用されていること、最後に筐体が割と頑丈なメタル製でケーブルの重さで浮き上がりにくいことである。
さて、音はどうか。実は、亭主はそれほど大きな違いはないのではないかと思っていた。ところが意外なことに、聴いてすぐにわかるほど違う。Prodigy CUBEの方が明らかに亭主の好みである。transitUSBでもVRDS-25XSの差はごくわずかだったが、Prodigy CUBEではほとんど差が分からない。これは亭主だけではなく、先のXavier氏や同じくオーディオ仲間のSAL氏の共通所見であるから、プラシーボ効果で片付けるわけにはいかないようだ。もっとも音質は個人の好みが反映するので、どちらが優れているというような評価は無粋に過ぎよう。
USBオーディオコントローラーの違いがこのような差を生み出しているのか。それともその周辺回路の品質の差なのか。このあたりはデジタル技術に詳しい、もう一人のオーディオ仲間であるSOBA氏の意見を聞いてみたいと思っている。
ちなみに、このデバイスはヘッドフォンアンプを謳うだけあって、アナログ出力もなかなか充実している。オーディオ・ファイルにとってありがたいことに、RCA端子がついているので普通のピンケーブルでアンプに接続できる。アナログ出力の音は、transitUSBよりも優秀だがCDプレーヤー並というわけにはいかない。それでも、いままで聴いたサウンドデバイスの中では間違いなくベスト3に入る。
さらに、興味深いことにオペアンプが差し替え可能な仕様になっているのだ。これについては何人かの先達がすでに実験を行っていて、Webに情報がUPされている。それらの情報によれば、CUBEのアナログ出力の音質はオペアンプを交換することで、かなり変わるということ。実はすでにオペアンプを高音質といわれているLME49720に交換してある。
この効果についてはまだ複数の耳で検証していないのだが、亭主の聴感上はアナログ出力とデジタル出力の差はほとんど感じられない。アナログ出力の仕様上の弱点は、ライン出力なのにボリウムをバイパスしていない(要するに可変出力)ということだが、ボリウムを最大にして聴く限り気になるレベルの問題は感じられないし、購入時のオリジナル状態よりも明らかに良くなった。これならば、オーディオ側にDACがなくてもいけそうである。
そんなこんなで、亭主のシステムの主力サウンドデバイスはProdigy CUBEが採用されたのであるが、こうして遊んでいるうちに気になりだしたことがある。
実は亭主のPCにはオンボードのサウンド出力にデジタル出力(S/P DIF)がついている。このデジタル出力はどの程度の品質なのか。さらに、HTPC(プロジェクター投影用の自作ホームシアターPC)に組み込んであるRMEのプロ用サウンドボードもデジタル出力つきであることを思い出した。これらの実力も調べてみる必要がありそうだ。