CONCORSO D'ELEGANZA VILLA D'ESTE 2008 (4)
ちょっと間が開いてしまったが、引き続きConcorso d'Eleganzaの紹介である。
CLASS Eは、イタリアン・カロッツェリアの手になるボディを纏ったスポーツカーだ。非常に貴重な車ばかりで、間近に見ると興奮を禁じ得ないものがあった。
CLASS E "SPEED AND STYLE - SPORTS CARS IN ITALIAN SUITS"
No.60 Ferrari 166 Inter, 1949 アルミ製ボディのベルリネッタで、Stabilimenti Farinaによって4台だけが製作されたという。12気筒を収めるボディはコンパクトにまとまっており、大変美しいツートーンの塗装が施されている。まだ曲面ガラスが採用される前のフロントシールドに注目。 12気筒 2341cc Carrozzeria: Stabilimenti Farina |
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No.62 Fiat 8V, 1954 Ghiaによるアルミ製クーペボディの珍しいFiat 8V。トリノモータショーへ出品することを意図して製作されたと思われるが、その前に米国の映画監督のもとへ売却されたという。非常にバランスの良いプロポーションを持ち、華美なところは無いが、それでいてエレガント。特にシンプルで力強いフロントフェンダーの造形とグリルとのつなぎ方が見事だ。今でもまったく新鮮さを失っていない魅力的な一台。 8気筒 1996cc Carrozzeria: Ghia ★mention of Honour |
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No.64 Jaguar XK 140, 1955 ごく少量が生産された左ハンドルのXK140。これはその中でも3台だけ作られたといわれるGhia製のボディだ。ベージュに近いアイボリーと濃紺の鮮やかなツートーン塗装が美しい。ちょっと変わった形状のバンパーが面白い。 6気筒 3442cc Carrozzeria: Ghia |
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No.66 Ferrari 250GT Serie1, 1958 会場で一際眼を惹いていた250GTのカブリオレ。Pinin Farinaによるボディは、一般の250と同じプラットフォームでありながら、より軽快でエレガントだ。コンディションも素晴らしく、マルーンの塗装はイタリアの日射しに良く映える。他の250GT系とはひと味違った伸びやかさが特徴で、それ故稀少な一台と言えよう。 12気筒 2963cc Carrozzeria: Pinin Farina ★CLASS WINNER |
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No.68 Triumph Italia 2000, 1959 これも珍しいVignale製ボディを持つTriumph 2000。その名が示す通り、イタリアの輸入代理店が企画しMichelottiにデザインを依頼したもので、Vignaleのコーチワークによって329台が生産された。大変すっきりしたクーペボディは、シンプルながら一見してTriumphと識別できるキャラクターを与えられており魅力的だ。復刻したら大変な人気を呼ぶのではないだろうか。 4気筒 1991cc Carrozzeria: Vignale |
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No.70 ATS 2500GT, 1963 亭主が特に注目した1台。そもそもATSの実物を見るのは初めてだ。この車は1963年にパリモーターショーに出品されたもので、イタリア初のミドシップ・ロードゴーイング・スポーツカーである。この車を発表してからまもなくATSは閉業してしまったため、わずかに3台だけが生産された。なんとも表現しがたい独特のたたずまいなのだが、敢えて言うなら試作戦闘機のような荒削りの格好良さであろうか。ボディも内装もベストコンディションとは言えないが是非永く保存して欲しい。 8気筒 2500cc Carrozzeria: Allemano |
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No.72 Lamborghini Miura SV, 1971 いきなり70年代に飛んでMiuraである。Giugiaroのあとを受けて、Bertoneのチーフデザイナーに就任した当時27歳のMarcllo Gandiniの作品。日本でも特に人気が高い車だが、やはり格好良い。圧倒的に低い車高と広いトレッドが生み出す地を這うようなフォルムは、マッシヴなフェンダーのサイドラインと相まって筋肉質の野生動物を思わせる。150台のみが生産されたというSVだが、果たしてこのように良好な状態の車が何台残っていることだろう。 12気筒 3929cc Carrozzeria: Bertone |