シュレディンガーのチョコパフェ
山本弘の短編集「まだ見ぬ冬の悲しみも」の改題再刊である。
やっと読めた。面白い。
山本弘と言えば「と学会」。その活動（？）によって通暁した「とんでもネタ」を総動員して書かれた「神は沈黙せず」は、亭主のお気に入りだ。
本作品集にも、その該博な知識は遺憾なく活かされており、どの作品をとっても思わずニンマリしてしまう。その中でも、亭主としては「奥歯のスイッチを入れろ」を一押しとしたい。
まぁ、このタイトルだけで、どんな話か分かってしまうと思ってるアナタ。とにかく読んでみて下さい。アナタと同じように亭主も「●よ、●よ」とか「サイボーグ◎◎９」とか「６××万ドルの男」とか、のパロディだろ、と思いましたが、ここまで書き込むのは容易じゃありません。しかもちゃんとＳＦになってるところが、ほんとに見事。
どの作品も、筆者のＳＦマインドがひしひしと伝わってきて、それがとても嬉しい。気恥ずかしいが、亭主が中学、高校時代に読みあさったＳＦへの愛情がまた熱く騒ぎ出すのを感じる。
昔ほどＳＦが白眼視されなくなったとは言え、ＳＦマインドを理解してもらうのは難しい。山本弘は「ＳＦとは筋が通ったバカ話である」、また「ありえないことをありそうに描くところに驚き（＝センス・オブ・ワンダー）がある」とあとがきに書いているが、言い得て妙だと思う。
センス・オブ・ワンダーが感じられる作品が、さらに生み出されんことを願って止まない。
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