けろこ堂日乗(β版)

けろこ堂日乗のHatenaブログ版です。

クリスマスに聴く古楽

クリスマスが近づくと、やたらと同じ音楽ばかり耳にするようになる。好きな曲もあれば、嫌いな曲もあるが繁華街に出ようものなら一日中聴かされる訳で、これには閉口する。 亭主は、カトリック系の学校で育ったこともあり、クリスマスイブには何となく厳かな…

ネットプリントサービスを比べてみる

前回写真の話題を書いたので、ついでといっては何だが、写真のプリントについて書いてみる。 亭主は、デジイチにしてからというもの写真はモニタで観るのが原則。亭主のモニタはEIZOのFlexScan S2410W-Rという1920×1200ピクセルの24インチモニタだが、これを…

紅葉とデジイチ

今年は昨年に比べ、草木の写真を撮りに行く回数が減ってしまった。何事にもあきっぽい亭主なので、これは諾なるかなである。それでも、この連休は見事な快晴だったので、少しは紅葉を愛でに出かけてみようと思った。亭主のごとき無精なオタクおやじが、都内…

祝復刊! シャドー81

1975年に発表された航空サスペンスの傑作が久々に復刊された。1977年に新潮社から文庫で発売されたこの作品は、当時の海外ミステリイとしては記録的な販売部数を達成したという。航空サスペンスともミステリイとも呼ぶことはできるが、この作品はそうしたジ…

バイバイ、マイクル

またしても巨星の訃報である。 亭主がマイクル・クライトンの「アンドロメダ病原体」を初めて読んだのは中学生の時。世の中にはこんな緻密なSFを書ける人がいるんだ、と感動し大きな影響を受けた。環境に適応しつつ次々と性質を変える謎の病原体を追い詰め…

貧民の帝都

鮫ヶ橋、万年町、新網町、新宿南町。 この町の名をみて、東京四大スラムとわかるなら、かなりの東京通であろう。 江戸非人頭の評伝を著している塩見鮮一郎が「東京養育院」の誕生から消滅にいたる軌跡を様々な史料に基づき丁寧に追いかけたのが本書。これは…

詩羽のいる街

山本弘の最新刊を読んだ。「詩羽(しいは)」はこの作品のヒロインの名前。おそろしく賢いことは間違いないが、決して超能力者でも異世界の住人でもない。まったく当たり前の女の子だ。彼女の仕事は「人に親切にすること」。 何しろ山本弘である。「またまた…

ペナン島の夏休み

map:x100.254y5.48:hybrid:w400久しぶりの更新。 もう10月になるのに、夏休みの話題はいかがなものかと思うが、丸々1週間休みを頂戴して南の島へ行ってきたので、その際の写真を載せておこう。 行き先は、マレーシアのペナン島である。マレー半島の西側のマ…

蒼路の旅人・天と地の守り人(三部作)

全巻を軽装版で揃えるつもりでいた「守り人・旅人シリーズ」だが、「蒼路の旅人」を読んだところでとうとう我慢できなくなり、ハードカバーに手を出してしまった。亭主と同じ羽目に陥った方は少なくなかろう。「蒼路の旅人」と「天と地の守り人」それぞれ独…

CONCORSO D'ELEGANZA VILLA D'ESTE 2008 (最終回)

カーデザイン雑感 自動車は工業製品である。その機能は「人を乗せて走る」ことだ。そのシンプルな機能のために、これほどまでに多様なデザインが必要であったのか?Concorso d'Eleganzaを見て、改めてこの問いについて考えてみた。結論から言えば「必要はな…

CONCORSO D'ELEGANZA VILLA D'ESTE 2008 (8)

ザガートの新作に想う Villa d'EsteのConcorso d'Eleganzaの翌日は、会場を近くのVilla Elbaに移し一般公開のエキジビジョンが行われた。このエキジビジョンでは、コンセプトカーの公開投票が行われ、エルメスとのコラボモデルを出品したBugattiが1位になっ…

CONCORSO D'ELEGANZA VILLA D'ESTE 2008 (7)

CLASS Hはレーシングカーのクラスである。今年は1955年〜1957年にかけての名車が出そろい、往時の熱い戦いを偲ばせた。亭主はレースの歴史に詳しくないので、解説は最小限である。 CLASS H "ENDURANCE LEGEND - RACING GREATS OF THE 1950s" No.98 Ferrari 1…

CONCORSO D'ELEGANZA VILLA D'ESTE 2008 (6)

今回紹介するCLASS Gは亭主にとって「憧れの車」がエントリーされていた。それはBizzarrini MantaとプロトタイプStratosである。30年以上も前に初めてこの車達の写真を見た時の衝撃を今でも憶えている。正直言ってこの2台を見ることができただけでも、遙々コ…

CONCORSO D'ELEGANZA VILLA D'ESTE 2008 (5)

1ヶ月にわたって紹介してきたConcorso d'Eleganzaの紹介も終盤である。今回はCLASS Fを紹介する。このクラスは大型GTを集めたもので、迫力のある名車が揃っていた。 CLASS F "THOROUGHBREDS - THE GOLDEN AGE OF THE GRANTURISMO" No.74 Alfa Romeo 6C 250…

CONCORSO D'ELEGANZA VILLA D'ESTE 2008 (4)

ちょっと間が開いてしまったが、引き続きConcorso d'Eleganzaの紹介である。 CLASS Eは、イタリアン・カロッツェリアの手になるボディを纏ったスポーツカーだ。非常に貴重な車ばかりで、間近に見ると興奮を禁じ得ないものがあった。 CLASS E "SPEED AND STYL…

CONCORSO D'ELEGANZA VILLA D'ESTE 2008 (3)

いよいよ戦後の車である。1950年代のカブリオレを集めたCLASS Dを紹介する。 この時代の車になると見覚えのある形になってくるが、もしここにあげた車の実物を見たことがあるなら、それは大変な幸運に恵まれたのだと思ってほしい。 CLASS D "RIVIERA CRUISIN…

CONCORSO D'ELEGANZA VILLA D'ESTE 2008 (2)

昨日の第1部に引き続き、本日はCLASS Bを紹介しよう。テーマは"KINGS OF THE ROAD - HIGH PERFORMANCE MODELS OF THE 1920s & '30s"というのだが、CLASS Aとの違いがいまいち分かりにくい。エントリーの基準がカタログに記載されていないので憶測に過ぎない…

CONCORSO D'ELEGANZA VILLA D'ESTE 2008 (1)

自動車が競いあうのはスピードだけではない。美しさを競い合うコンクールが世界中で行われている。そんなコンクールの中の頂点のひとつに数えられる"CONCORSO D'ELEGANZA VILLA D'ESTE"が去る4月26日、27日の両日、イタリアのコモ湖畔で開催された。幸運にも…

ショコラティエの勲章

著者の上田早夕里は小松左京賞受賞のSF作家だが、この作品は(敢えて分類すれば)ミステリイだ。 神戸の老舗和菓子店に勤める主人公の女性と、名人ショコラティエの交流を軸に6編の物語が綴られている。ミステリとはいっても、殺人事件もなければ驚くような…

はやぶさ−不死身の探査機と宇宙研の物語

もうかなり前に読んだ本だが、書こうと思いつつ機会を逸していた。 「はやぶさ」とは、JAXA/ISASが小惑星イトカワに送り込んだ探査機MUSES-Cのことであることは言うまでもない。この探査機についてはすでに多くの文献やサイトが詳細な情報を提供しているので…

けろこ堂日乗リニューアル

オリジナルのテーマを作成したので、使ってみることにします。 携帯向きではないので、できるだけPCでご覧下さい。 横1024ドット以上の画面なら問題なく表示できると思います。 ブラウザは Windows IE6 IE7 Mozilla Firefox2.0 LINUX Mozilla Firefox2.0 で…

お知らせ

思うところあり日乗のデザインを変更中です。 時々新しいデザインに変わったりするかもしれませんが、ご容赦ください。

追悼! アーサー・C・クラーク

その訃報に接したのは今日の正午のニュースだった。 「アーサー・C・クラーク氏死去」 この日が遠からず訪れるであろうことは、分かっていた。しかし、やはりショックである。 月並みではあるが、「巨星、逝く」という言葉がこれ程ふさわしい人物はいない。…

勇将の装い

黒澤明監督による「影武者」を初めて観た時、あまりにもカッコいいデザインの甲冑が登場して、驚かされたものだ。特に作中で信長が所用していた、西洋甲冑をベースにしつらえたと思われる南蛮具足の印象は強烈で、亭主が甲冑のデザインについて興味を持ち始…

シュレディンガーのチョコパフェ

山本弘の短編集「まだ見ぬ冬の悲しみも」の改題再刊である。 やっと読めた。面白い。 山本弘と言えば「と学会」。その活動(?)によって通暁した「とんでもネタ」を総動員して書かれた「神は沈黙せず」は、亭主のお気に入りだ。 本作品集にも、その該博な知…

神の守り人

またも上橋菜穂子である。まぁ、好きなんだから仕方がない。 待望の軽装版「神の守り人」が発売された。買ったとたんに読んでしまったが、改めて上橋の実力を思い知らされた。 主人公であるバルサが背負う宿命、もう一人の主人公であるアスラが背負う宿命、…

秒速5センチメートル

新海誠の最新アニメーション作品「秒速5センチメートル」。この作品を新海自身がノベライズした小説版「秒速5センチメートル」が出版された。 新海誠が「ほしのこえ」で一躍有名になったのは、2002年のこと。石原都知事を含め、世間一般の異様な反響にとまど…

かけがえのない地球 365日空の旅

年末に親友達と会ったおり「持続可能性」すなわち「sustainability」という概念が話題になった。 この概念については様々な議論があり、その詳細を述べる知識は亭主には無いが、これからの社会システムを考えてゆくためには避けて通れないものだと理解してい…

有頂天家族

森見登美彦の「夜は短し歩けよ乙女」(d:id:mhana:20070204を参照)が第20回山本周五郎賞だそうだ。めでたいことだ。亭主はこの賞がどれほど有り難いものかは知らぬが、きっと森見氏の原稿単価アップにつながるであろうし、出版社の待遇も良くなるのだろう…

ウォッチメイカー

ジェフリー・ディーヴァーのリンカーン・ライム シリーズ最新刊である。今回は、リンカーンにとって最強の敵「ウォッチメイカー」が登場する。どう最強なのか?リンカーンは勝利するのか? 例によって、ミステリィはネタバレになるようなことは書けないし、…